あの時、胸が少しだけざわついた。
プレゼントとは、嬉しさと驚きが混ざる特別なもの。だけど時には、そっと戸惑いを残していくこともある。
もらった瞬間の微笑み、その裏側に隠した正直な気持ち。
そんな心の揺れを思い出しながら、いくつかのエピソードを綴ってみたい。
小さな「ありがとう」の中に秘めた、あの日の本当の気持ちとともに──。
エピソード①:『ミニーマウスのネックレス』
あれは確か、30歳の誕生日のことでした。
当時お付き合いしていた彼から、お食事の後に包装紙に包まれた小さな箱を手渡されました。
形からして指輪かな?と、期待に胸を膨らませて開けてみた私はビックリしました。
それは、ミニーマウスのネックレスだったのです。
もちろん私だってディズニーランドは好きです。
彼とも訪れたことがある思い出の詰まった夢の国です。
しかし、私の年齢は30歳!三十路の記念の誕生日に、ミニーマウスのネックレスです。
一体どんなシチュエーションで身に着けるんだ?と、呆然としながら箱の中身を見つめた記憶があります。
ハッとして「ありがとう」と言ってはみたものの、その笑顔が引きつっていることは自分でも分かりました。
気持ちは嬉しかったのですが、どうしても身に着けることができず、可愛いから飾っておくね。と彼には伝えましたが、私の心中は彼も察したようです。
それ以降誕生日プレゼントは、必ず欲しいものを訊かれるようになりました。
✨ふと胸に灯るもの
プレゼントを選ぶって、本当に難しいよね。🎁
相手を想う気持ちがたくさん詰まっているほど、ズレたときの切なさも大きくなるんだと思うな。
ミニーマウスのネックレスは、きっと彼なりの「楽しい思い出」を贈ろうとした証だったんだろうね。
歳を重ねるごとに、贈り物に込める意味も少しずつ変わっていくのかもしれない。
「ありがとう」を伝えた優しさも、きっと二人の成長に繋がっていると思うな。💫
エピソード②:『おおきなクマのぬいぐるみ』
20代後半の時にお付き合いしていた彼氏がいて、初めて迎える私の誕生日になりました。
プレゼントの話はしていなかったので、当日のサプライズだと思って楽しみにしていました。
そして誕生日当日に彼が私にくれたものは、大きなくまのぬいぐるみだったのです。
彼が話すには金額はなんと2万円もしたようで、かなり苦労をして運んできていました。
私はお礼は言いましたが、内心はかなりがっかりしました。
理由としては置く場所をとること、2万もお金をかけるのであればもっと別のプレゼントが良かったという思い、彼が私の好みを間違えて把握していると思ったことです。
その次の年からは自分がほしいものをリクエストすることにしましたが、このプレゼントのことは思い出としてはっきり覚えています。
✨ふと胸に灯るもの
期待していたからこそ、心にぽっかり空いた瞬間だったのかもしれないね。🎈
サプライズは嬉しいけれど、本当に喜んでもらえるかどうかって難しいものだなって思うな。
くまのぬいぐるみには、きっと彼なりの精一杯の愛情がこもっていたんだろうね。
ただ、現実には「サイズ」や「使い道」も大事になってくる。
それに気づくと、リクエストするスタイルってすごく優しい選択なのかもしれないな。💭
エピソード③:『雑貨の詰め合わせ』
大学2回生の頃、彼氏にもらったプレゼントです。
なんともいえないガッカリプレゼントでした。
普段、二人で雑貨屋さんめぐりをしていたのですが、
誕生日プレゼントが、「雑貨の詰め合わせ」
まだ可愛いものが多ければよかったのですが、
近所のスーパーのファンシーショップで選んだようなクオリティの低いものでした。
1番びっくりしたのは、包丁。
包丁なんだけど、おもちゃの包丁だから当然使えないし、
よく分からないものをもらいました。
頂いておいて申し訳ないのだけれど、
高くなくてもいいから、もう少し使えるものがほしかったな。
数が多かったから、多分1万~1万5千円分ぐらいは選んでくれてそうでした。
同じ金額かけるなら、もっといいものがほしかったなと、ガッカリしました。
詰め合わせなので、私の事を考えながら選んでくれたのでしょうけどね、そこだけはありがたく受け取っておきます。
✨ふと胸に灯るもの
想いはたしかにこもっているのに、どうしてもうまく噛み合わないことってあるよね。🎁
雑貨屋巡りの楽しい思い出を、ぎゅっと詰め込もうとしたのかもしれないな。
「高価じゃなくてもいい」けど、「使えるもの」って意外と重要なんだと感じるよ。
それでも、一生懸命選んでくれた時間だけは、きっと宝物だと思うな。🌟
こうして笑って話せる思い出に変わる日が、きっとあるよね。
エピソード④:『2人のアルバム』
私が彼氏と付き合っている時、彼氏は写真を撮るのが好きでよく写真を撮っていました。
私は少しずつ彼氏のことを冷めた気持ちになってきて、別れを切り出そうか悩んでいた時に私の誕生日がやってきました。
特にほしいものも言ってなかったし、なにかもらっても素直に喜ぶことができるかわからなかったのでなにもいらないと言っていました。
しかし誕生日には彼氏からプレゼントをもらいました。
プレゼントの中身は2人の写真とコメントが入ったアルバムでした。
普通は嬉しいはずだと思うけれど、冷めつつあったので全然喜ぶことができずにありがとうと言うことしかできませんでした。
せっかく誕生日プレゼントをもらえるなら、もう少し使えるものをほしかったなと思いました。
その彼氏とはその後しばらくして別れてしまったので、アルバムは返しました。
持っているのも捨てるのも嫌だったので、返せてよかったのかなと思っています。

✨ふと胸に灯るもの
アルバムって、心が繋がっている時ほど輝くものなんだろうね。📖
気持ちがすれ違ってしまうと、同じ贈り物でも重く感じてしまう。
だけど、彼はきっと「想い出を残したい」と願ったんだろうな。
別れ際に手放したことも、きっと正しかったんだと思う。
優しく、そして静かに幕を引く勇気も、きっと必要な時があるんだろうね。💭
エピソード⑤:『ティファニーのネックレス』
私は高校生のころに付き合っていた大好きな人がいました。
彼はカメラマンになるために、高校を卒業して大学に進学していきました。
私は、高校で簿記の資格を取っていましたので、高校を卒業してOLになり経理の仕事をするようになりました。
彼とはなんとなく価値観が違ってきてしまって、離れてしまうようになりました。
25歳で彼が結婚したと知って、ショックを受けてしまったのでした。
私も、知人に男性を紹介してもらって、2年ほど付き合って結婚しました。
でも私の結婚生活がうまくいっていませんでした。
それは、夫の親との同居生活だったからでした。
いつもストレスを抱えてしまい、悩んだ末に高校生のころの彼に電話で相談するようになりました。
彼と再会して付き合うようになっていきましたが、初めて会ったときのクリスマスに、彼がティファニーの青い紙袋をプレゼントしてくれたんです。
私は指輪が好きでしたので、指輪だといいなと思いましたが、中身はティファニーのネックレスでしたので、少しがっかりしました。
✨ふと胸に灯るもの
運命みたいに再会した彼とのクリスマスプレゼント──その瞬間、きっと胸がいっぱいだったんだろうな。🎄
青い袋に込めた想いも、ネックレスのきらめきも、本当はかけがえのないものだったはず。
だけど心が期待していたものと違ったとき、ふっと寂しさがよぎることもあるよね。
それでも、誰かと再び心を通わせる奇跡は、とても尊いものだと思うな。💗
まとめ
プレゼントには、贈る側と受け取る側、それぞれの想いが交差する。
たとえ心からの贈り物でも、受け取るタイミングや気持ちによって、嬉しさも戸惑いも生まれる。
そんなすれ違いも、今振り返れば、大切な思い出の一部になっている。
心を尽くして選ばれたものたちは、形を超えて、そっとあたたかさを残しているのかもしれない。
喜びも、がっかりも、すべてがその時の真剣な気持ちだったのだと、今ならきっと優しく思える。
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